実写映画版『カイト/KITE』

映画『カイト/KITE』見た。家族と食卓を囲んで、飯を食いながら。

 

いま実家に帰省中でバイトする気も無く、本を読んでPC触って映画観るくらいしか過ごす方法がない。近所のツタヤが準新作100円キャンペーン実施中で『カイト/KITE』が棚にあったので借りた。あとキャッチコピーが魅惑的な『誘拐の掟』も借りた。

というわけで今日は『カイト/KITE』のやる気のない感想でブログを更新する。同調圧力から始まったブログが三日坊主に終わらなかったのは素直に喜ぶべきことなので、更新できることを素直に喜んでいようと思う。

 

事前知識として、『カイト/KITE』は日本のアダルトアニメ『A KITE』が原作の実写映画なので、まずそちらを見ておいた方がいい。OVA2本だからそんなに長くないし、何より面白いし、最後まで見ると切ない気分になれる。梅津泰臣監督の代表作でネットに気合の入ったファンの人がたくさんいるから、詳しい話はその人たちに聞いてください。私は11歳の女の子だからよくわからないけど、命中すると時間差で弾丸が炸裂するエグい銃だとか近未来風で無国籍な感じの作品世界みたいなビジュアル面が好きだし、手にしたばかりの自由や平穏が日常の風景の中で喪われるラストもいいよね。

 

で、表題の『カイト/KITE』の話なんだけど、内容はともかく見る前に夕飯の準備をしている母親にどんな映画なの?って訊かれて返事に詰まってしまって、「日本の成人向けアダルトエロアニメが元になってるアメリカの実写映画で……。あっ、でも原作のアニメもそんなにエロシーン重視じゃなくて、世界観とかビジュアルだとか救いのないラストとかが全部合わさって評価されていて……タランティーノとかその辺の海外映画人にもファンが多いアニメで……」みたいな感じの説明をしたのがつらかった。一人で誰もいない部屋で見るべきだった。

 

映像本編に関しては正直かなりダメだった。『A KITE』の良さというかエッセンスを実写映画に落とし込む気概みたいなものは一切感じられなかったし、90分の映画にするために無理なストーリー作りをした感じだった。調べてみると元々監督する予定だったデビッド・R・エリス氏がロケ地の南アフリカで急死して、ラルフ・ジマンなるMV界の人物が代行となったらしい。うーん…………。

 第一印象として、配役に違和感がある。主演のインディア・アイズリーからしてまず駄目で、原作の砂羽が持つ印象とあらゆる面で不一致すぎる。オブリ役のカラン・マッコーリフは、スタイルはガリガリで良いが顔が少し……。この二人はもっとあどけない顔立ちの俳優に差し替えて欲しい。アカイ役のサミュエル・ジャクソンは正直笑ったが、中途半端に信念のある人物として彼を起用するのは間違っていない気もする。

中身の方は、会話も少なく淡々とした空気感のあった原作と比べると、終盤の説明口調的なセリフの連続が不細工に感じられる。エロを抜いた分サスペンスに力を入れたかったのかもしれないが、ごちゃごちゃし過ぎて黒幕のアカイの人物像がよくわからない。

 まあそれでも原作に対するリスペクトの薄さに目をつぶれば、飯を食いながら見る映画として悪くないと思った。グロいし。作品世界では警官の汚職が横行して、街にいる少女はほぼ確実に人身売買組織に捕まって娼婦になるレベルで治安が悪いし、街並みもムチャクチャ汚い。あと組織の手下のチンピラどもの普段の生活がかなり謎で、奇声を上げて少女狩りする姿と仲間内でボール遊びする姿しか描かれていない。あと肝心の炸裂銃弾の方はグロくて再現度がけっこう高かった。

 あんまり期待せずに『A KITE』ファン同士でああだこうだ言いながら見るのが正解なのかもしれない。というわけでアニメ原作『A KITE』見ておきましょう。

 

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ラルフ・ジマン監督インタビュー。むっちゃ顔振りながら喋るのが気になる。